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車椅子の介助をする際の注意点と車椅子の操作方法を紹介

歩行や姿勢の維持が難しい方にとって、車椅子は欠かせない物であり、移動の際の重要な道具でもあります。さらに、適切な介助を行うことで、車椅子使用者の行動範囲はぐっと広がり、生活をもっと楽しめるようになるでしょう。
ここでは、車椅子使用者を介助するにあたって、知っておきたい注意点をご紹介します。

車椅子を点検する際のチェックポイント

どんなに正しい介助を行っても、車椅子自体に問題があると、転倒や落下などのトラブルにつながる可能性があります。車椅子の利用を始める前に、車椅子を丁寧に点検しましょう。
特に気をつけたいポイントは、下記の3つです。

ブレーキがきくか

車椅子のブレーキには、さまざまな種類があります。車椅子使用者が自分で操作する自走式の場合、前進するためのハンドリムを握ることでブレーキをかけられるほか、レバーを引いて固定する駐車ブレーキがついているのが一般的です。
自走と介助を兼用している車椅子や、介助式の車椅子では、介助者が持つハンドル部分にブレーキがついている場合と、ペダルを足で倒すことでロックがかかるフットブレーキがついている場合があります。
ブレーキのききが悪いと事故が起きる可能性もありますので、利用する前にしっかりブレーキがきくかどうか状態を確認してください。

タイヤの状態は良好か

タイヤの空気が入っていない状態で車椅子を使用すると、タイヤがパンクして動かなくなったり、ブレーキのききに影響したりします。タイヤを親指でぐっと押してへこむようなら、空気を入れてから使いましょう。

破損している部位がないか

背もたれやひじ掛け、座面に破損がないかを確認します。フットサポートの状態や作動状況などをチェックし、ねじのゆるみや全体的な歪みがないかも点検しましょう。

車椅子でお出掛けする際のトイレに関する注意点

車椅子使用者の介助をしながら外出する場合、初めに確認しておきたいのが「トイレ」です。下記の3点は、必ず事前にチェックしておきましょう。

  • 利用できるトイレの場所
  • 車椅子対応トイレがあるか
  • 車椅子対応のトイレがない場合、介助者が入るスペースを確保できそうな広めのトイレがあるか

また、電車に乗って移動する場合は、駅舎内や列車内のトイレについても同様の下調べをしておくと安心です。
なお、ローカル線の駅舎ではバリアフリー化が遅れていることもありますので、乗車する駅、経由する駅、目的地の駅のそれぞれに、トイレについて問い合わせておきましょう。
無人駅や、駅係員が少ない駅があるローカル線では、当日の乗車自体が難しいこともあるため、お出掛けの計画が決まった時点で、該当の駅舎に連絡しておくことをおすすめします。

車椅子で電車を利用するときの注意点については、下記のページで詳しく解説していますので、ご確認ください。
車椅子で電車に乗る前に確認すべきことは?乗ったときの注意点も紹介

車椅子でお出掛けする前に介助者が準備しておきたいこと

車椅子使用者の安全性を確保するには、介助する方の準備が大切です。続いては、出発前に介助者がしておきたいことをご紹介します。

アクセサリー類を外す

介助の際は、車椅子使用者に密着する場面が多々あります。自身や車椅子使用者の思わぬケガを防ぐために、ピアスやイヤリング、指輪、ネックレスといったアクセサリー類や、腕時計などは外しておきましょう。

クッションやひざ掛け、スロープなどを用意する

長時間車椅子を利用する場合は、体圧を分散して姿勢を楽に保ってくれる車椅子用クッションや、体を冷えから守るひざ掛けがあるといいでしょう。また、介助者が複数いて大きな荷物を持ち歩ける場合は、折りたたみ式のスロープをレンタルなどして用意しておくと便利です。ちょっとした段差なら回避せずに移動できます。

自分自身の体調管理をしっかり行う

車椅子の使用者だけでなく、介助者自身もしっかり体調管理をしてください。
また、介助の際に体を酷使すると、介助者が肩や腰を痛める危険があります。無理な姿勢をとらないように心掛け、痛みが出てしまった場合は、無理をせずに代わりの方を探しましょう。

車椅子使用者を介助する際の注意事項

車椅子使用者とともにお出掛けをして、外で介助をする際には、いくつか注意しておきたい点があります。詳しい内容を確認しておきましょう。

手足を車椅子に巻き込まないようにする

上半身の安定性に欠ける方は、手がタイヤに巻き込まれてしまう危険があります。また、足をフットサポートに乗せておくのが難しい方は、足が地面とタイヤのあいだに挟まるのを防がなくてはなりません。車椅子を押しているあいだは、前方や後方に注意するとともに、車椅子使用者の手や足の位置にも気を配る必要があります。
どうしても安定しないようなら、手足をサポートする福祉用具を利用するのもひとつの方法です。

お尻の床ずれに注意する

車椅子に長時間同じ姿勢をとって座っていると、体の同じ部位に圧力がかかり続けるため、皮膚組織が壊死する床ずれ(褥瘡)ができる可能性があります。車椅子使用者の体に合った車椅子用のクッションを使ったり、定期的に体を動かすのを手伝ったりといった方法で、適度に体圧を分散させましょう。

声掛けを忘れない

下り坂や段差では、いったん車椅子をとめたり、後ろ向きにしたりと、通常とは異なる動きをしなくてはなりません。動きを変更する際は、車椅子使用者が不安にならないよう、「段差があるので方向を変えますね」「下り坂はゆっくり進みましょう」といった声掛けをするといいでしょう。

人混みでは周囲にも気を配る

人が多い場所では、車椅子が周囲にぶつかり、トラブルやケガの原因になることがあります。車椅子使用者に気を配るのはもちろんですが、周囲の方の動きにも目を向けながら落ち着いて操作し、できるだけ早く広い場所へ移動しましょう。

車椅子の基本的な操作方法

車椅子のお出掛けを介助する前に、基本的な車椅子の操作方法をおさらいしておきましょう。
ここでは、車椅子のたたみ方と広げ方、ブレーキのかけ方、段差や坂の上がり方・下がり方などを紹介します。

車椅子のたたみ方と広げ方

車椅子のたたみ方の図

車椅子をたたむときは、フットサポートを上げ、シートの中央部分を上に引き上げます。両側のタイヤを近づける要領でアームレストを中央に引き寄せれば、たたむことができます。

車椅子の広げ方の図

広げるときは、アームレストを両手で持って、外側にぐっと押し広げます。続いて、シートの中央部分を押して下げましょう。フットサポートを下げたら完成です。
たたむときも広げるときも、指を挟まれないように注意し、ブレーキを忘れずにかけましょう。

ブレーキのかけ方

ブレーキのかけ方の図

自走・介助兼用や、介助用の車椅子は、手押しハンドルの下についているグリップを握るとブレーキがかかります。

車椅子の駐停車の図

駐停車する場合は、ハンドリムの前方についているレバーを押し下げてとめてください。
基本的に、押して移動しているあいだ以外は、ブレーキをかけるようにします。特に、坂道で不用意に停車したり、力を緩めたりすると、勝手に動き出すリスクがあります。坂道では常にブレーキをかけ、平らな場所に出てから停車しましょう。
なお、車椅子の操作は製品によって異なる場合がありますので、使用している車椅子の使い方をあらためてご確認ください。

段差の上がり方、下がり方

段差の上がり方の図

わずかな段差は、ティッピングレバーを踏んで、持ち上げた前輪を段差にのせた後、後輪を段差に沿って滑らせるようにして段差を乗り越えます。

段差の下り方の図

下りるときは、段差に対して車椅子を後ろ向きにし、後輪からゆっくりと下ろしてください。次に、ハンドルに力を入れて前輪を持ち上げたまま後ろに引き、前輪を静かに下ろします。
この間、「段差を上りますよ」「今から下りますよ」などと、車椅子使用者にこれからどのような動きをするのか説明するのを忘れないでください。介助に協力する体勢をとってもらえるだけでなく、車椅子使用者の不安も解消されます。

坂やスロープの上がり方、下がり方

坂の登り下りの図

坂や、段差を解消するために設置されたスロープは、上がるときは前向き、下がるときは後ろ向きに進むのが基本です。
上りでは体が押し戻されないように、上半身を前傾させて体で押すようにしましょう。下りでは車椅子の重さを受け止めるように、後方に注意を払いながらゆっくりと下ります。
特に下り坂は、前向きのまま進むと前に転がり落ちる危険があり、乗っている方も恐怖を感じます。必ず声をかけて後ろ向きにしてから進んでください。ブレーキをかけながら、速度を落として進むことも大切です。

車椅子で段差や坂を上り下りする方法については、下記のページで詳しく紹介していますので、ご確認ください。
車椅子で段差を上り下りする方法とは?シチュエーション別に紹介

車椅子使用者の負担を減らし、お出掛けを楽しもう

車椅子使用者にとっても介助する方にとっても、慣れないお出掛けは不安なものです。
介助者が正しくサポートできれば、車椅子使用者も安心してお出掛けすることができます。まずは、「だれでも東京」でバリアフリー対応のお出掛け先を探し、計画を立ててみてはいかがでしょうか。

だれでも東京

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