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車椅子から便座へ移乗する際の介助方法やトイレ利用時の注意点を解説

車椅子を利用している方が外出をするにあたって、「利用できるトイレがあるか」「問題なく利用できるか」は心配事のひとつです。介助する同行者にとっては「どこまで、何を、どのように」介助するかも悩み所でしょう。
ここでは、車椅子使用者がトイレを利用するときの介助方法やトイレ利用時の注意点などについて紹介します。

車椅子で利用する駅や施設のトイレについて確認したいこと

車椅子でのお出掛けが決まったら、目的地までのルートと目的地周辺のトイレについて調べましょう。ここでは、調べる際のポイントを2つ紹介します。

「車椅子対応トイレ」があるか

バリアフリー化が進み、駅はもちろん、ショッピングモールやレジャー施設においても、一般のトイレと車椅子使用者にも対応した「車椅子対応トイレ」が設置されるようになりました。といっても、古い駅や屋外の施設などでは、車椅子対応トイレの設置が遅れているケースもあるため、立ち寄るポイントごとにトイレの有無と種類を確認しておくといいでしょう。

トイレ内で介助するスペースを確保できるか

トイレで介助が必要な場合、トイレに車椅子使用者と介助者、車椅子のすべてが入り、さらに介助するスペースを確保できるかどうかも重要です。
介助するスペースが狭いと、介助の内容が制限されるほか、車椅子をいったんたたんだり、外に出したりしなくてはなりません。介助の内容を踏まえて、必要なスペースがどれくらい必要かを考えましょう。
また、人によって可能な動きは異なるため、「手すりが左右どちらの壁についているか」「手すりの高さはどれくらいか」といったことも大切なポイントになります。

車椅子から便座への移乗手順

続いては、実際にトイレの中で、車椅子から便座に移乗する際の方法について紹介します。
なお、介助については、車椅子使用者本人ができないことを手助けするのが基本です。介助者は車椅子使用者が羞恥心や劣等感を持つことがないよう、最大限の敬意を持って接しましょう。

1. 車椅子をとめる

トイレに入ったら、便座へ移動しやすい位置に車椅子をとめます。

狭いトイレでの車椅子の配置図

上記のイラストのように、室内の横幅が狭い一般的なトイレなら便座に向き合うように、少し離れた場所にとめましょう。

広いトイレでの車椅子の配置図

上記のイラストのように、車椅子対応トイレといった室内が広々としているトイレの場合は、便座に対して直角になるようにとめます。

2. 車椅子に浅く腰かける

立ち上がるための準備として、車椅子の手前側に浅く座り直してもらい、足は床につけましょう。
このとき、ズボンのベルトやファスナーを外しておくと、後の工程がスムーズに行えます。

3. 立ち上がって体の向きを変える

立ち上がって向きを変える図

手すりにつかまって立ち上がり、お尻が便座に向くように方向を変えます。
立ち上がりに介助が必要な場合は、介助者が車椅子使用者の両脇に腕を入れ、肩につかまってもらうか首に腕を回してもらいながら立ち上がりましょう。立ち上がったら手すりを持たせて、両脇と腰を支えて方向転換を助けます。

4. 下の衣服を脱衣する

車椅子使用者に、手すりや介助者につかまって立ってもらったら、ズボンや下着を脱ぐのを手伝います。なお、車椅子使用者から脱衣の依頼があった場合や、手が不自由なため自力で衣服の上げ下ろしをするのが難しい場合を除き、できるだけ本人に脱衣してもらいましょう。介助の際は、介助者に重心がかかっているため、よろめかないように注意してください。

5. 便座に座る

衣服を脱いだら、お辞儀をするような前傾姿勢をとり、ゆっくりと便座に腰かけてもらいます。

6. いったん外に出るか見守る

座った姿勢が安定していて、一人で安全に排泄できそうなら、介助者はいったん席を外します。声掛けがあったらすぐに入れるよう、カーテンの外側かトイレの外で待ちましょう。

7. 清拭する

排泄が終わったら、汚れた箇所をトイレットペーパーで清拭します。自力の清拭が難しいようなら、前傾姿勢をとってもらい、介助者がスピ―ディーに清拭しましょう。

8. 下の衣類を着衣する

車椅子使用者の自力での着衣が難しい場合は、手すりや介助者につかまって立ってもらい、下着とズボンを上げるのを手伝います。ファスナーやベルトをしめるのは、車椅子に座ってからでも構いません。

9. 車椅子に戻る

立ち上がったときと逆の手順で、ゆっくりと車椅子に戻ります。

車椅子から便座へ移乗する際の声掛けのポイント

トイレの介助を依頼することは、車椅子の使用者にとってセンシティブな問題です。介助者は一方的に「できる・できない」を決めつけず、車椅子使用者の意思を優先してください。
具体的には、次のような声掛けを意識するといいでしょう。

何かあったら声をかけてくださいね

衣服を脱ぐ、お尻を拭くといった行為は、できるだけ自分の力でやってもらうことが大切です。あまり手をかけすぎると、車椅子使用者の自尊心を傷つけ、自信を失うことにもつながるからです。
自立度の高い方であれば、本人に介助の必要性を確認し、「そこで待っていますから、何かあったら声をかけてくださいね」と声をかけ、見えない場所に移動します。車椅子使用者から見えない位置に移動するのは、緊張や羞恥心をやわらげる上でも有効です。

よかったらお手伝いしましょうか?

車椅子使用者自身が「できる」と言っても、座った姿勢に安定感がなかったり、あまりに時間がかかったりするようならば、「よかったらお手伝いしましょうか?」と優しく声をかけてから介助します。
見守られることに抵抗がある方の場合は、大判のタオルをかけるなどの配慮をすると、安心して排泄できるでしょう。

立ち上がりましょう/下着を下ろしますね/便座に座りましょう

介助の際に、何の断りもなく突然体に手を回されたり、下着に手をかけられたりすると、車椅子使用者は驚いてしまいます。介助をするときは、これから何をするのかを言葉にして伝えてから行いましょう。
「肩に手を置いて、いっしょに立ち上がりましょう」などと伝えると、車椅子使用者と息を合わせて動くことができます。

大丈夫ですよ

万が一、トイレで何かを失敗してしまっても、「大丈夫ですよ」「すぐ拭きますね」と前向きな声掛けをすると、相手に安心感を持ってもらえます。信頼関係を築く上でも、このような声掛けは重要です。

駅や電車内のトイレを利用する際の注意点

首都圏の駅舎や列車では、車椅子対応トイレの導入率が高く、バリアフリー化が進んでいます。一方、都心から離れたローカルな路線の駅のトイレは、車椅子に対応していない場合も多くありますので、都心から離れたところへお出掛けをする際は、目的地などの駅に、車椅子対応トイレの有無を問い合わせておくといいでしょう。

なお、電車内のトイレでは、急ブレーキや横揺れなどで転倒する危険性もありますので、利用の際は時間に余裕を持つことをおすすめします。
特に、下車駅が近づいているタイミングで利用すると、事故や乗り過ごしのリスクが高まります。トイレは乗車前に済ませておくか、念のため吸水パッドなどを着用しておくと、長時間乗車のプレッシャーが軽減されるでしょう。

車椅子のトイレ介助を前提としたお出掛け先の選び方

車椅子での外出は、トイレの状況を優先して目的地を絞る方法もあります。まずは、行きたい場所をいくつか挙げ、ルート上で立ち寄る可能性がある場所や目的地に、トイレについて下記の内容を問い合わせることをおすすめします。

  • トイレの場所はどこか
  • 車椅子対応トイレがあるか

手動タイプではない大きな電動車椅子や、ハンドル形電動車椅子などを利用している場合は、十分な広さがあるかどうかも確認しておくといいでしょう。

車椅子対応トイレを検索して、車椅子でのお出掛けを楽しもう

車椅子での外出は、トイレの問題が解決できれば、心に余裕を持って楽しむことができます。同行者が介助する場合は、まえもって介助してほしい内容や、してほしくない内容について共有しておくとなおいいでしょう。

まずは、「だれでも東京」の検索機能を使って利用可能なトイレを探し、安心できるお出掛け先を見つけてください。
※「だれでも東京」では車椅子対応トイレを「車椅子使用者対応トイレ」で検索できます。
施設ページ(車椅子使用者対応トイレ)

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