トップページへのリンクアイコン トップ

車椅子の使い方と各部の名称・機能を詳しく紹介

歩行が難しい方の移動をサポートしてくれる便利な車椅子。使い方や機能を把握しておくと、車椅子の外出や移動はさらに快適なものになります。
ここでは、主に車椅子の利用にまだ慣れていない方に向けて、基本的な車椅子の機能や使い方についてご紹介します。

車椅子の各部名称と役割

まずは、車椅子の部位ごとに、それぞれの名称と役割についてご紹介します。

車椅子の部位ごとの名称

手押しハンドル(グリップ、介助者用ブレーキ)

手押しハンドルは、介助者が車椅子を動かすための物です。ハンドルには介助者用のブレーキもついています。ちょっとした坂道を下るときなどは、ブレーキをうまく使いながら進められます。車椅子使用者が自身で操作する自走用の車椅子の中には、介助者用ブレーキがついていない物もあります。

バックサポート(背もたれ)

車椅子使用者が寄りかかる背もたれの部分を、バックサポートといいます。リクライニング機能がついている物もありますので、車椅子使用者のニーズに合わせて選んでください。

ブレーキ(サイドブレーキ)

車椅子使用者自身が使えるブレーキは、車椅子を広げたり、たたんだりする際にも使い、サイドブレーキともいいます。後輪の前方についていることが多く、持ちやすいように棒を延長させている方もいます。

ハンドリム

ハンドリムは、車椅子使用者自身が自走用の車椅子を前に進めるときに使います。後輪の外側についている輪の部分です。ちょっとした坂やスロープを下りるときは、ハンドリムでスピードを緩めることもできます。

ティッピングレバー

段差を乗り越えるときなどに介助者が使うのがティッピングレバーです。足をかけて下に踏み込むと、車椅子の前輪が持ち上がる仕組みです。

車椅子による段差への対処方法については、下記のページで詳しく解説していますので、ご確認ください。
車椅子で段差を上り下りする方法とは?シチュエーション別に紹介

駆動輪とキャスター

ハンドリムを含めた車椅子の後輪部分を駆動輪、前輪の部分をキャスターといいます。キャスターは駆動輪より小さく、360°回転する物で、主に方向転換の際に使われます。

アームサポート(ひじ掛け)

アームサポートは、車椅子使用者のひじ掛けです。乗車中に楽な姿勢を保てるほか、立ったり座ったりするときや、車椅子から便座に移乗するときの支えにも使います。

サイドガード

サイドガードは、乗車中に衣類が垂れ下がって、駆動輪に巻き込まれたり汚れたりするのを防ぎます。

シート(座シート)

シートは座シートともいう、車椅子使用者が腰かける部分です。クッションなどで座り心地を調節すると、快適に過ごせます。

レッグサポート

ひざ下から足首までを支えるのがレッグサポートです。レッグサポートの中には、左右に開閉できる「スイングアウト」や、角度を調整できる「エレベーティング」などができるものもあります。

フットサポート

足を乗せる部分がフットサポートです。レッグサポートと一体化したタイプや、車椅子を動かす際に足も使う方のために、折りたためるタイプなどもあります。

介助者がいる場合の車椅子の利用手順

続いては、介助者が車椅子を利用、およびしまうときの取り扱い方法について、順を追ってご説明します。

1. 車椅子を広げる

まずは車椅子が動いてしまわないように、サイドブレーキをかけてください。車椅子の後ろに立ち、両方のグリップを持って左右に押し広げます。片側のグリップやバックサポート部分を持って、車椅子が動かないよう支えながら、シートを下に押し下げて形を整えましょう。

2. フットサポートを調整する

フットサポートを、地面から5cm以上の高さになるように調整します。これは、地面や障害物に足がぶつかるのを避けるためです。フットサポートのボルトを緩め、高さを調整してからボルトを締め直してください。

3. 車椅子のシートに腰かける

車椅子を広げたら、フットサポートが上がっている状態にして、シートに腰かけます。
介助が必要な場合は、声をかけながら車椅子使用者の脇の下から腕を回して体を支えます。前傾姿勢をとってもらって体重を分散させながら、ゆっくりと腰を下ろすまでサポートしてください。
座り終わったら、フットサポートを下げて、足を置きます。

4. 車椅子から降りる

サイドブレーキをかけ、後輪が動かないように固定し、フットサポートを上げて立ち上がります。介助が必要な場合は、声をかけながら、シートに腰かけるときと逆の手順で立ち上がりをサポートします。

5. 車椅子をたたむ

シートの中央を持ち上げ、バックサポートの後ろに回り、両方のグリップを中央に寄せるようにしてたたみます。
なお、車椅子によって使用方法が異なる場合がありますので、使用している車椅子の説明書をご確認ください。

知っておきたい車椅子の機能

続いて、知っておくと便利な車椅子の機能について解説します。車椅子選びの参考にしてください。

背固定/背折りたたみ

車椅子の背もたれ部分は、固定できる「背固定」タイプと「背折りたたみ」タイプに分かれます。耐久性を重視するなら背固定タイプ、折りたたんだときのコンパクトさを重視するなら背折りたたみタイプがおすすめです。

脚部スイングアウト・エレベーティング

脚部スイングアウトは、フットサポート、レッグサポート部分が開閉したり、着脱できたりする機能です。狭い場所で立ち上がりたいときや、足で車椅子をこぐときなどに使用します。
エレベーティングは、フットサポート、レッグサポートの角度が調整できる機能です。足が曲げられず、伸ばしておきたい方におすすめです。

リクライニング・ティルト

リクライニングは、背もたれ部分の角度が調整できる機能です。背もたれだけが倒れるタイプをリクライニングと呼び、座面と背もたれが一体となってフラットに倒れるタイプを、ティルトやティルティングなどと呼びます。
車椅子で過ごす時間が長い方や、長時間座っていることが難しい方などにおすすめです。

背シート張り調整

車椅子に乗ってもすぐに疲れてしまう場合、背もたれ部分のシートの張り具合を調整することで、座り心地が改善され、快適に乗り続けられるようになることがあります。クッションを挟むことで対応できる場合もありますが、背シートの張り調整が可能なタイプは、利用者の背中の形に合わせてシートをフィットさせられますので、より良い乗り心地が追求できます。

アームサポート跳ね上げ・スイングアウト

アームサポートが跳ね上げられたり、取り外したりできるタイプの車椅子もあります。この機能があると、車椅子を近づけてベッドなどに移乗する際、アームサポートが邪魔になりません。

ドラム式介助ブレーキ

ドラム式介助ブレーキは、車軸部分で制動をするタイプのブレーキです。小さな力でもしっかり止まるため、介助者が女性や高齢者など、力が弱い方にもおすすめです。

車椅子の使い方を知って外に出てみよう

車椅子の使い方がわかると、お出掛けを楽しめるようになります。車椅子の機能と使い方を理解し、外出してみてはいかがでしょうか。
「だれでも東京」では、バリアフリー対応の施設を多数掲載していますので、こちらもあわせてご確認ください。

だれでも東京

関連記事

  1. 車椅子で旅行をするときに知っておくと便利なサービスや注意点

PAGE TOP