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車椅子で外出するときの注意点とは?持ち物や服装について紹介

車椅子は、歩行が困難な方でも、自分の意志で自由に行動範囲を拡大できる物です。車椅子を使えば、外出を楽しみ、視野を広げることができるでしょう。
ここでは、車椅子で外出する際に予想される困難やトラブルを回避するために、準備しておくべきことや知っておきたい注意点についてご紹介します。

車椅子で外出する前に確認しておきたいこと

車椅子で外出を楽しむには、事前の準備が大切です。まずは、外出前に確認しておきたいことについてご紹介します。

車椅子の状態

車椅子は、車椅子使用者や介助者の負担を軽減し、外出の難度を下げてくれます。装着品や部品などの不具合が原因でトラブルが生じないよう、使用する前に隅々までチェックしましょう。

<外出前の車椅子のチェックポイント>

  • がたつきや歪みの有無
  • 動かしたときに、おかしな音がしないか
  • 押したときに、まっすぐ進むか
  • ネジやナットが緩んでいないか
  • クッションがセットされているか
  • 車輪に引っかかっている物がないか
  • フットレスト、アームレスト、フットサポートなどの装着品がしっかり固定され、可動部分がスムーズに動くか
  • タイヤに空気が入っているか、溝が残っているか、空気を入れるバルブに緩みはないか
  • ブレーキは正しく作動するか
  • シートが破損していないか

車椅子使用者と介助者の体調

外出は、車椅子使用者の体調に不安がないときを選びましょう。また、介助者の体調管理も大切です。介助には体力を使うため、体調不良時は無理をせず、日程を変更したり、代わりの方を探したりといった対応をしてください。

駅・電車・行き先施設のバリアフリー情報

外出先まで電車に乗って行く場合は、下記の施設がバリアフリーに対応しているかを確認しておくことをおすすめします。

<バリアフリー施設を確認する場所>

  • 乗車駅、乗換駅、目的駅
  • 利用する電車
  • 行き先の施設

新設やリニューアル工事がされたばかりの駅や施設の場合は、ユニバーサルデザインが採用されていることがほとんどですが、ローカル線などではバリアフリー未対応の駅も散見されます。
段差を解消するスロープや車椅子用階段昇降機、車椅子対応トイレなどの有無を、事前に調べておくと不安なく移動できるはずです。

電車の場合も、新幹線や特急電車、長距離乗車を前提とした電車には、車椅子対応トイレが設置されていることが増えていますが、地方の路線によっては設置されていないこともあります。電車に長時間乗る場合は、万が一に備えて吸水パンツやパッドなどを使用し、電車で移動する前に駅のトイレを利用すると安心です。

駅・電車・目的地の混雑状況

バリアフリーに対応したエレベーターなどの設備があっても、混雑状況によってはすぐに使えない場合もあります。待つ時間によっては全体の計画が崩れてしまう可能性もありますので、混雑する時間帯と混雑時の状況などを事前に調べておき、余裕を持った計画を立てることをおすすめします。

車椅子で外出する前に準備しておきたい持ち物と服装

車椅子による外出にはさまざまな持ち物が必要とされます。お出掛けする前に、必須の持ち物をチェックしましょう。

雨具・防寒具

突然の雨に備えて、雨具は用意しておきましょう。車椅子専用の雨具なども販売されていますので、活用してみてください。朝晩の冷え込みが厳しい季節や、冷暖房による外気との寒暖差が予想される時期は、ひざ掛けやストール、カイロなどの防寒具を持っておくと安心です。

吸水パンツ・パッド・着替え

長時間電車に乗るときや、目的地に車椅子対応トイレなどがあるかどうかわからないときは、万が一に備えて防水パンツやパッドを装着し、予備を持って行きます。念のため、着替えも持って行くといいでしょう。

車椅子使用者と介助者の服装

車椅子で外出する際は、服装についても注意が必要です。車椅子使用者は、タイトなパンツですと脱ぎ着するのが大変なため、避けるといいでしょう。裾を持ち上げてキープするのが大変な丈の長いワンピースも、トイレで用を足すには不便です。
また、自走用車椅子を漕ぐ場合、袖口が広がっているトップスは絡まりやすいため、避けたほうが無難です。袖口は汚れやすくなりますので、汚れが目立たない色合いを選ぶのもポイントのひとつです。
車椅子の外出に慣れないうちは、脱ぎ着しやすいことを第一に服装を選び、外出の機会を増やしながら、少しずつ好きな服、着たい服を試していくことをおすすめします。

また、介助する側も服装には配慮が必要です。スカートやヒールの靴は避け、パンツやスニーカーなどの動きやすい服装を心掛けてください。介助の際に車椅子使用者にケガをさせないよう、腕時計やアクセサリー類は外しておくことをおすすめします。ストールやマフラー、裾の広がったパンツやスカートは車輪に巻き込まれやすいため、注意してください。

車椅子での外出の際にレンタルを検討したい物

車椅子で外出するときだけ必要で、普段は使わない物は、福祉用具のレンタルを利用する方法があります。例えば、下記のような物が挙げられます。

電動車椅子

普段は手動の車椅子を利用していて、長距離移動をするのに体力が不安な場合は、電動で移動できるタイプの車椅子をレンタルするのもひとつの方法です。車椅子を押す力をサポートして介助者の負担を軽減してくれます。外出の目的や介助者の有無に合わせて選ぶといいでしょう。なお、慣れない操作で不安な場合は、練習してから外出の際に利用するようにしてください。

スロープ

目的地や利用する駅、通行する歩道などに乗り越えにくい段差があることがわかっている場合は、折りたたみ式のスロープがあると便利です。福祉用具としてレンタルできますので、外出先の状況に応じて検討しましょう。

車椅子で移動する際の注意点

車椅子の移動には、さまざまな問題が存在します。特に、下記の4点には注意が必要です。

段差・階段・坂道への対応

車椅子で移動する場合、段差や階段、坂道などには、慎重に対処しなければなりません。もし、移動中や外出先に段差などがあることがわかっていれば、折りたたみ式のスロープを用意するか、目的地やルートを変えるなどの検討をしましょう。

車椅子で段差を上り下りする方法については、下記のページで詳しく紹介しております。
車椅子で段差を上り下りする方法とは?シチュエーション別に紹介

車椅子によるエレベーターへの乗り降りの方法

車椅子でエレベーターに乗る際は、前輪(キャスター)が扉の溝に引っかからないよう後ろ向きで入り、降りる際も後ろ向きで出るようにします。エレベーターの中が混雑していて方向転換が難しい場合は、前輪を浮かせるなどの工夫をして、慎重に乗り降りしましょう。

車椅子用階段昇降機の利用

車椅子用階段昇降機を使う場合、昇降中に車椅子が動いてしまわないよう、必ずブレーキをかけてください。また、昇降機に足を挟んでしまわないように注意しましょう。

道路の状況確認

道路交通法上、車椅子は歩行者となりますので、右側通行が基本です。ほかの歩行者や自転車、自動車などに気をつけながら移動しましょう。マンホールの凹凸や、横断歩道と車道のあいだにある段差に引っかかるとバランスを崩しやすいため、前方に目配りをしながら、慎重に進んでください。

車椅子で外出先のトイレを利用する際の注意点

外出先のトイレには、一般的な「男性用トイレ」「女性用トイレ」のほか、車椅子使用者や高齢者、乳幼児を連れた方、妊娠中の方、オストメイトの方、性別で区切られたトイレに抵抗がある性的マイノリティの方など、あらゆる方が気兼ねなく使える広さと機能を備えた「車椅子使用者対応トイレ」があります。
一般的に、車椅子使用者対応トイレは、車椅子が中で方向転換できる広いスペースがあり、トイレに移乗したり、手を洗ったりするときの支えになる手すりも設置されていますので、安心して利用することができるでしょう。

なお、車椅子使用者対応トイレを必要としている方は大勢いますので、長時間の占拠は避け、次の方が安全に使用できるよう、便座やユニバーサルシート(介助用大型ベッド)は必ず元に戻し、トイレットペーパーがなくなっていることに気づいたら補充するなど、基本的なマナーやルールを守って使用してください。

事前の準備で、車椅子の外出を快適にしよう

車椅子で安心・安全に外出するには、装備や持ち物のチェックのほかに、事前の情報収集も重要です。
「だれでも東京」の施設検索を活用して、快適なお出掛けを楽しんでください。

だれでも東京

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