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ユニバーサルコミュニケーションの浸透で、だれもがつながるデフリンピックへ:東京2025デフリンピック

前回の特集記事「東京2025デフリンピックとバリアフリー:共生社会の実現に向けた取組」では、大会の開催概要と会場でのバリアフリーの取組についてご紹介しました。 いよいよ今年11月の開催となりましたので、本記事では、前回取り上げていなかったバリアフリーな環境を整備するためのデジタル機器等設備のご紹介とともに、だれでも東京で参照可能な設備に関する情報の検索方法や、ソフト面でのバリアフリーについてご紹介します。

【東京2025デフリンピックとは】

デフリンピックとは、デフ+オリンピックのこと。
デフ(Deaf)とは、英語で「耳がきこえない」という意味です。
デフリンピックは国際的な「きこえない・きこえにくい人のためのオリンピック」なのです。
日本では初めての開催であり、また1924年にパリで第1回デフリンピックが開催されてから100周年となる、歴史に残る大会で、より一層の盛り上がりが期待されています。

デフリンピックは、耳がきこえない・きこえにくい「デフアスリート」たちにとって、競技力を発揮し、互いに交流する貴重な場です。また、この大会は障害のある人々への社会的な理解を深める機会にもなっています。

デフリンピック概要はこちらの記事をご確認ください
【正式名称】 日:第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025
英:25th Summer Deaflympics Tokyo 2025
【大会期間】
2025年11月15日~26日(12日間)

「東京2025デフリンピック大会ポータルサイト」はこちら

【聴覚障害向けのバリアフリー】

バリアフリーとは、あらゆる人が自由にアクセスできるような環境を整える取組です。「だれでも東京」(https://www.daredemo-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/)では、あらゆる人が快適に過ごせるためのバリアフリー情報を提供しています。
今回は耳がきこえない・きこえにくい人たちが必要とするバリアフリーにフォーカスして紹介と解説をしていきます。

デジタル機器とバリアフリー

現代のテクノロジーは、耳がきこえない・きこえにくい人たちの生活を大きく変えています。デジタル機器とバリアフリーの進化により、情報アクセスやコミュニケーションが格段に向上しました。 今回は役立つデジタル機器をいくつかご紹介します。

補聴器

最新の補聴器はデジタル化が進んでおり、小型で高性能なものが多く、音質の向上やノイズキャンセル機能が搭載されています。これにより、周囲の音をよりクリアに聞き取ることができます。

音声認識アプリ

スマートフォンやタブレットにインストールできる音声認識アプリは、会話をリアルタイムでテキストに変換することができます。これにより、会話の内容を視覚的に確認できます。

ビデオ通話アプリ

手話通訳が利用できるビデオ通話アプリは、遠隔地の人と手話でコミュニケーションを取るのに便利です。

フラッシュベル

視覚的に通知を受け取れるフラッシュベルは、電話やドアベルの音を光で知らせてくれます。視覚的な通知により、呼び出しや来客を見逃す心配が減ります。

磁気ループシステム

公共の場や劇場などで使用される磁気ループシステムは、補聴器や人工内耳と連携して音声を直接届けることで、周囲の雑音を減らし、クリアな音質を提供します。

タッチパネルディスプレイ

透明ディスプレイのタッチパネルは、視覚的に情報を提供し、操作も簡単です。

これらのデジタル機器を活用することで、耳がきこえない・きこえにくい人たちの生活がより便利で快適になります。

聴覚障害者用設備 検索機能のご紹介

だれでも東京では、「絞り込み検索>設備から選ぶ>聴覚障害者用設備から必要な設備やサービスを絞り込んだうえで検索をかけることができるようになっています。
下図は掲載例です。

掲載例1

掲載例2

デフリンピックの会場とバリアフリー

今回、東京で開催されるデフリンピックですが各競技で使用される施設でもバリアフリーサービスを提供しています。
以下に本サイトに掲載している施設のなかで、耳がきこえない・きこえにくい人たちへ向けたバリアフリーサービスを提供しているデフリンピックの会場をまとめていますので是非ご確認ください。
※透明ディスプレイ設置施設を検索する際は、「絞り込み検索>設備から選ぶ>聴覚障害者用設備」から「聴覚障害者用タッチパネル」を選択してください。
※一部抜粋

タッチパネル1
透明ディスプレイ
タッチパネル2
筆談対応
磁気ループ 案内サイン
東京体育館
駒沢オリンピック公園総合運動場 陸上競技場
日比谷公園
有明テニスの森公園テニス施設
東京アクアティクスセンター
東京武道館
武蔵野の森総合スポーツプラザ

透明ディスプレイ

「東京2025世界陸上」及び「東京2025デフリンピック」を契機に、デジタル技術を活用し、音声を多言語で表示する透明ディスプレイが38箇所の都有施設に設置されました。
・会話をリアルタイムに文字に変換し、ディスプレイに投影するとともに、32カ国語【注】の多言語での表示が可能
・声を発することが難しい・耳がきこえない・きこえにくい方などは、付属のタブレットにより文字入力を行い、ディスプレイに表示することが可能
【注】対応言語例
英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タイ語・ロシア語・フランス語・イタリア語等

スタッフの筆談対応

総合受付にてユニバーサルコミュニケーション機器も設置しております。聴覚障害の方や外国の方向けに、音声筆談や多言語翻訳を行います。

案内サイン

耳や言葉の不自由な方がスムーズに移動できるよう、施設の位置や導線を示した、遠くからでも見やすく分かりやすいデザインの案内サインを設置しています。

だれでも東京では、目的に応じた施設を検索しやすいように絞り込み検索を行うことができます。詳しくは「このサイトの使い方」ページをご確認ください。

ソフト面のバリアフリーとは

バリアフリーとは、建物の造りや設備といったハード面だけを指すものではありません。人同士の関わり合いによるソフト面のバリアフリーも重要です。
ハード面のバリアフリーは、国や地方自治体、民間事業者が整備を進めることで整っていくものです。例えば、エレベーターやスロープの設置、点字ブロックの整備などが挙げられます。
ではソフト面のバリアフリーとはどのようなものがあるのでしょうか。

犬多くの施設では、各施設のスタッフによる手話や筆談による対応が行われています。しかし、私たち一人ひとりができるソフト面のバリアフリー対応も重要です。例えば、街で耳きこえない・きこえにくい人が困っている場面に遭遇したら、手助けすることもソフト面からのバリアフリーの一環です。
犬まずは、人間関係を含めた社会との関係によってバリアが作られることを理解し、様々な人々がともに暮らしていることを意識することが必要です。次に、どのような配慮が必要か、コミュニケーションをとり、意向を確認します。どのようにしたらいいか迷ったときは、「何かお手伝いできることはありますか」と話しかけたり、相手に応じてメモを見せたり、身振りを用いるなど工夫して伝えてみましょう。見知らぬ人に声をかけることには恥ずかしさがあり、ハードルが高いと感じるかもしれませんが、駅や道端で周りをキョロキョロしている人を見かけたら、「困っていませんか?」と手話で尋ねてみるのはいかがでしょうか。また、ゆっくりと大きく口を動かして「大丈夫?」と尋ねてみるのもいいでしょう。反応があればそのあとは筆談やスマホを使えば簡単にお手伝い出来ますね。

大切なのは、バリアを解消して、本人が希望する活動を可能にすることであり、そのために適切な配慮を行うことです。本人が満足しているか、コミュニケーションを通じて確認しながら、行動することが重要です。

最後に

今回の特集では、耳のきこえない・きこえにくい人に対するバリアフリーに焦点を当てました。
障害の有無にかかわらず、困っている人の手助けをすることが、多様な人々が安心して暮らせる社会を作るための最も簡単な方法かもしれません。
これを機に耳がきこえない・きこえにくい人たちへの理解を深め、困っている人に手を差し延べることで、より良いデフリンピックの開催と、よりよい社会の実現を目指しましょう。

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